女性に嫌われる男の趣味の王道といえばパチンコ・スロットをはじめとするギャンブル。
マッチングアプリで知り合った女性との会話でも、「パチンコ屋なんて一回も入ったことないし、全然興味ないよ」なんて話をするとやけに好感度が上がったりする。
彼女たちの中で「ギャンブルにのめり込まない男=自分を大切にしてくれる人」という図式ができているのかは定かでないが、いずれにしろパチスロに手を出しても一向に人生が上向く気がしない。
ただそんな「パチンコ童貞カミングアウト」の後に、
などとこぼすと、
とまさかの宝くじ容認発言!!
A子さん、楽して一攫千金を狙うこの浅ましい男を軽蔑するどころか、あなたもですか!?
どうやら世の女性たちの認識ではギャンブルと宝くじは全く別物のようだ。
確かに宝くじが原因で借金地獄に陥った話も、離婚の原因になった話も聞いたことがない。
また不思議なことにGoogleで【借金 パチンコ】と検索するとパチンコで破滅したエピソードが山ほどヒットするのに対し、【借金 宝くじ】と検索すると宝くじで借金を返済した話が多くヒットする逆転現象が起こる。
パチンコ・宝くじどちらも運営元が儲かり、大半の客が損をする仕組みにもかかわらず、宝くじだけは批判的な意見が少なかったりする。
だが何年も宝くじを買い続けてきた経験から言わせてもらうと、そう簡単に一発逆転は起こらないし、宝くじにもある種の依存性が潜んでいる。
ハマるとなかなか抜け出せなくなる恐ろしさが宝くじにも例外なく存在するのだ。
本記事では5年間ロト6を欠かさず買い続けた筆者の経験から、のめり込むとどんな精神状態に陥るのか、そしてなぜ買うのをやめたのか話してみようと思う。
Contents
なぜ宝くじにハマるのか、一攫千金の魔力。
誰もが知っての通り、宝くじの当選確率は絶望的に低い。
ロト6でいえば1等最高2億円の当選確率はわずか600万分の1。
年末ジャンボだとさらに低く、1等7億円の当選確率は2,000万分の1である。
こんなゲームに手を出すのは正気ではない。
還元率をみてもギャンブルの中で最悪だ。
仮に100万円分買ったとしても配当に回されるのは約47万円と半分にも満たず、残りは手数料や公共事業費に使われる。
公共事業の費用を調達するために始まったのがそもそもの起源でもあり、投資としては極めて期待値が低い。
にもかかわらず統計データによると、過去に宝くじを1度でも買ったことがある人はなんと8,100万人以上、我々は宝くじが大好きなのだ。
ちなみに女性が嫌いなパチンコ・スロットは8割くらい回収できると言われ、意外に良心的だったりする。
宝くじの最大の魅力は何か?
それは当選時のリターンの大きさだろう。
たった200円のくじ券が2億円に化ける可能性を誰もが夢見ている。
倍率はなんと100万倍である。
芸能人が競馬で万馬券を当てたなんてニュースが時々話題になるが、せいぜい100倍だ。
全く比べ物にならない。
どれだけ貧しい人でも唯一、一発逆転を狙えるのが宝くじなのだ。
しかし私がここで言いたいのは「さあみなさん宝くじを買いましょう」では決してない。
前述したように当選確率は限りなくゼロに近いからだ。
せいぜい飲みの席でのもし当たったら話に花を咲かせる程度に楽しむのが健全だ。
ロト6を5年間買い続けた結果。。。
筆者もかつて宝くじに大いに夢を膨らませ、どハマりしていた時期があった。
ロト6に夢中になり5年以上もの間、欠かさず15口ずつ買い続けた。
ひたすら同じ番号を買い続ければ、そのうち当たるだろうという淡い期待があったのだが、
改めて当選ルールを見直すと、どう見ても負け戦は確実だ。
5等の1,000円ですら確率は約39分の1。
200円×39口で7,800円分購入してようやく1,000円当たるかどうかというレベル。
この時点で圧倒的に不利だと察するべきだった。
実際の購入データを紹介していく。
・購入開始時期:第766回(2013年6月)
・最終購入時期:第1,317回(2018年10月)
・1回あたり購入口数:15口
・総購入口数:8,280口
なぜ15口ずつ買い続けたのかというと「毎月3万円くらいなら遊び金として失ってもいいや」くらいの気持ちがあったからだ。
もちろん心の中では高額当選を期待せずにはいられなかった。
しかし、実際に購入してみると現実はやはり厳しかった。
1年ごとの当選実績を表にしてみると一目瞭然、見事な負けっぷりである。
宝くじの運営元が公開している当選データによると、
・4等の当選確率・・・9,990/6,096,454≒0.16%
・5等の当選確率・・・155,400/6,096,454≒2.55%
ということからもわかるように、年ごとにバラつきはあるものの買い続けていくと徐々に胴元の思惑通り、理論値に近づいていくことがわかる。
3等に至っては28,224分の1の確率で引けるため、まだ8,280本しか購入していない筆者の当選本数が0なのも納得だ。
宝くじの還元率は47%であるとお伝えしたが、あくまで1等当選も含めた数字である。
つまりほとんどの購入者は2割程度しか取り返すことができないようにできている。
私も結局、5年間で投じた165万円が35万円にまで目減りしてしまった。
買い続ければいずれ1等2億円を引き当てる可能性はあるが、その頃にはすでに4億円もの資金を投じた後かもしれない。
宝くじは統計学に基づいて必ず胴元が勝つように仕組まれたゲームである。
買えば買うほど確実に損するようにできていることに気づいた頃には時すでに遅しであった。
宝くじを買い続けるとダメな3つの理由。
お伝えしたように筆者はロト6にハマった結果、5年間で約130万円の資産を目減りさせることに成功した。
しかし本当に失ったものはお金だけではなかった気がする。
そこで私の経験から、宝くじにハマるべきでない3つの理由を述べていこうと思う。
人生損する理由①:金銭的に損失が出る可能性大
ここまで何度も述べてきたが、宝くじほど期待値の低い投資はない。
初詣に神社でおみくじを引くくらいなら、運試しにスクラッチくじでも削ったほうがよっぽど値打ちがありそうだが、習慣化して買い続けるのは絶対におすすめしない。
買えば買うほど胴元の思惑通り、あなたの資産は着々と目減りしていくに違いない。
株でも買ったほうが世の中の勉強になるし、損失も少ないだろう。
頭で理解していても一度ハマると簡単にやめられないのが依存状態の怖いところである。
同じ番号のくじを買い続けてきた人にとって、やめた途端に当たり番号がくるのは何より屈辱的であるし、今までの損失を取り返したいという心理も働く。
やめてしまった時点で自分の失敗を認めることになり、買い続けないと不安なのだ。
しかしどこかで損切りしないかぎり、損失はいっそう膨らんでしまうことに気付かなくてはならない。
また宝くじに大金をつぎ込んでいる人の中には、たとえ外れても「いやこれは社会貢献だから」と開き直る人もいるのではないだろうか。
安心してほしい、私もそうだった。
しかし宝くじの損失は経費計上できなければ、寄付金控除にもならないのだ。
その立派なボランティア精神があるなら是非ともどこかの慈善団体に寄付してみてはいかがだろうか。
ふるさと納税でもかまわない。
もっとお互いにWin-Winなお金の使い方をしたいところである。
人生損する理由②:自分の能力で稼ぐ努力をしなくなる
世の中の億万長者と呼ばれる人は代々伝わる資産を受け継いだ場合を除き、起業したり、医者や弁護士など高度な専門スキルを身につけた人、スポーツや芸能で成果を残した人がほとんどだろう。
みな知識やスキル・人脈形成など様々な面で並々ならぬ苦労や努力を経験しており、彼らの経済力には様々な経験の裏付けがあるはずだ。
しかし宝くじの購入が習慣化してしまい、依存度が高まってしまう人の思考は180度違う。
「運はこの手で掴み取るぜ!おるらああああぁぁぁ!!」である。
宝くじ以外に現状を打開する術を持ち合わせていないのだ。
当たれば人生なんとかなるだろうという甘えが努力する気持ちを削いでいく。
でも少し考えて欲しい。
今世の中に運だけで大成功を収めた人がどれだけいるだろうか。
たとえ生まれつき人より才能に恵まれていたとしても、自分の能力を見極め、磨き上げる努力は絶対に必要だ。
宝くじは人生をかけるにはあまりにも確率が低すぎる。
コツコツと努力を重ね続ける選択をしたほうが、困難なように見えて実は成功への近道だったりする。
人生損する理由③:将来に対する見通しが甘くなる。
宝くじにハマるとなぜか理由もなく、本当に根拠もないのだが自分なら1,0001万分の1だろうとチャンスを掴めるはずだという自信に満ちてくる。
もちろんそう簡単に当たるはずなどない。
にもかかわらず頭の中で将来のライフプランニングを思い描く際、いつの間にか宝くじの当選金が手に入る前提の人生設計をしてしまう。
宝くじはお金の浪費である。
したがって宝くじにハマる性質の人は私生活でも何かと浪費が多い。
「貯金も節約もあまり意識してないしソシャゲの課金もやめられないけど、宝くじは毎週買ってるし、そのうち当たるでしょ」といった具合である。
一発当てればすぐに挽回できるはずと楽観視してしまうのだ。
この思考は非常に危険である。
パチンコ・スロットの依存症がしばしばパチンカスと揶揄されるが、宝くじも抜け出せなくなってしまえば宝クズと呼ばれる日もそう遠くないだろう。
公式サイトでは毎年、「幸運の女神」なるものが募集されているが、週末にパチンコ店でよくあるタレントの営業と大差はない。
応募要項を見ると、日当25,000円+宿泊交通費、さらには支度金として別途500,000円という高待遇だ。
おそらくこれらの費用は宝くじの売上金から支払われるのだろう。
宝くじの性質上、彼女たちの運んでくれるであろう幸運はたくさんの小さな不運の上に成り立っている。
商店街の福引きとはわけが違う。
いかに公営といえど本質はギャンブルそのものである。
我々は国の作り出すイメージに惑わされるのではなく、物事を適切に見極める力をもっと養う必要があるのではないだろうか。