独り言

楽天など買い物・サービス利用で貯まるポイントに税金はかかる?

普段の買い物で何気なく貯まっていくポイント。

次回以降の買い物でキャッシュバックに使えたり、ギフト券に交換できたりと換金性が高いので何かしらコツコツ貯めている人も多いのではないでしょうか。

中でも楽天スーパーポイントは日本一貯まりやすいポイントとして有名で、年間に何万ポイントも獲得している人も少なくないはずです。

ところで受け取ったポイントは課税対象になるのかどうか気になりませんか?

楽天ふるさと納税でせっかくお得に節税したつもりが、ポイントに課税されては本末転倒ですよね。

そこで今回は楽天スーパーポイント等のポイントと税金の関係について詳しく解説していきます。

※本記事でご紹介するものはあくまで国税庁の「税務大学校」による研究活動をもとに紹介しています。専門家や管轄の税務署によっては意見が異なる場合もあるのでご了承ください。

国税庁の見解によるとポイントは課税対象になることがある

さてポイントが課税されるかについてですが、今のところポイントと税に関する法律は整備されていないのが現状です。

そこで所得税を管轄する国税庁の見解を参考に解釈していくのが妥当だと思います。

国税庁税務大学校の研究によると、まず課税のあり方には次のような前提があるようです。

現在の我が国の個人に対する所得課税は、包括的所得概念を原則とし、人の担税力を増加させる利得はすべて所得を構成すると解されている。すなわち、第1に、所得はいかなる源泉から生じたものであるかを問わず課税の対象となると解すべきであり、第2に、現金の形をとった利得のみでなく、現物給付・債務免除益等の経済的利得も課税の対象となると解すべきであり(所得税法36条1項2項)、第3に、合法な利得のみでなく、不法な利得も課税の対象となると解すべきである。
~中略~
その中で、ポイントによって得られる特典は、資産の無償または低額譲渡、用益の無償または低額提供、債務負担等に当たり、課税されるべき経済的利益となると考えられる。

企業が提供するポイントプログラムの加入者(個人)に係る所得税の課税関係について

わかりやすくまとめると、「現金にかかわらず得た利益に対しては課税されますよ」というのが国税局の基本的な見解です。

ただし全てのポイントが一律にまとめられる訳ではありません。

ポイントの獲得方法には有償・無償の2通りのケースが考えられますよね。

「どうやって得たポイントなのか」その付与の元となる取引によって税の考え方が変わってくるので、個別に解説していきましょう。

 

2.楽天市場などショッピングで得たポイントは一時所得

みなさんが持っている楽天スーパーポイントで最も多いのが楽天市場や楽天カード決済などショッピングで得るポイントではないでしょうか。

スーパーセールなどで買いまわりをすれば、わりと簡単に10,000p以上貯めることも可能です。

このショッピングによるポイント還元については所得税の一時所得に該当するようです。

(法人から消費者への贈与)

「ちゃんと対価を払ってるわけだし、値引きとどう違うの?」と納得いかない人がいるかもしれません。

たしかにショッピングでよくある値引きでは、通常より割安で商品(サービス)が手に入る点では経済的利益を得ているにもかかわらず、定価との差額に課税されることはありませんよね。

これは値下げという行為には、事業者(店舗)の経営判断として商品価格を変更した場合には通常の商取引をしたとみなすという考えがあるからなんですね。

一方ポイントプログラムはどうかというと、獲得したポイントをどれだけ使用するかによって消費者側に売価の決定権が渡ってしまう点が、値下げとは大きく異なりますよね。

そのためショッピングによる還元で得たポイントは全て経済的利益としてみなされてしまうのです。

 

ポイント還元は損なのか?

それではポイント還元は果たして消費者にとって損な取引なのでしょうか?

①1,000円の商品を買って100pもらう。

②1,000円の商品を900円に値引きしてもらう。

どちらも実質負担は900円ですが、①で得た100pが課税されるなら誰でも値引きを選びますよね。

特に楽天市場の場合、複数のショップで同じ商品を取り扱っていて価格やポイント倍率が異なりますよね。

ポイント還元後の実質負担額が値引き後と同程度なら、安く購入できる店舗を選ぶのが賢明です。

ところで「100pに対する税金っていくらなんだろう?」って気になりますよね。

それではポイント還元で課税される一時所得について考えてみましょう。

 

ポイント還元の一時所得にかかる税額は?

一時所得とは簡単にいうと労働の対価ではない臨時収入のような所得をいい、主に

⑴ギャンブルや福引きなどの懸賞金・景品

⑵生命保険の一時金、損害保険の満期返戻金

⑶法人から贈与された金品

などが該当します。

楽天スーパーポイントは⑶の法人からの贈与資産という位置づけになります。

■一時所得の計算式

一時所得の金額=総収入金額-その収入を得るために支出した金額-特別控除額(最高50万円)

※課税対象=一時所得の金額×1/2

気になる税額ですが、一時所得には最高50万円までの特別控除があるため、この時点でほとんどの消費者は無税と考えていいでしょう。

ショッピングだけで年間50万pも獲得している楽天会員なんて、おそらく存在しないですよね。

問題は同じ年に他の一時所得があった場合です。

生命保険の一時金などがあり、必要経費や特別控除を引いた後の金額がプラスに転じた場合、残念ながら税金が発生します。

ですがこのケースでも全額が課税対象となるのではなく、控除後の金額の1/2を給与など他の所得と併せて累進課税で算出します。

結論として、ショッピングの還元で得たポイントはたいていの場合が無税で、仮に課税されたとしてもごくわずかな額にしかなりません。

 

2.アンケートなど無償で得たポイントは雑所得

ショッピング以外に楽天スーパーポイントを獲得する方法に「報酬」として受け取るチャンスがありますよね。

・楽天アフィリエイトやROOMなどの成果報酬

・楽天インサイトのアンケートモニター

・ポイントスクリーンなどお小遣いアプリ

・メールdeポイントの広告クリック

他にも無料で楽天スーパーポイントを獲得する手段はいくつもありますが、上記はどれも金銭ではなく、アンケートや他人への紹介など役務提供の対価となっているのが特徴です。

このように報酬として得たポイントは所得税のうち、雑所得として勘定されます。

ややこしいですが雑所得に区分される根拠としては、役務提供への対価に該当するか否かが判断基準になってきます。

したがって同じ無料ポイントでも「楽天カードを作れば5,000pプレゼント」といったケースでは、役務ではなく契約の対価として付与されるため、前述の一時所得と考えるのが妥当です。

・楽天カードの申し込みで獲得したポイント…一時所得

・楽天カードの紹介で獲得したポイント…雑所得

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報酬として受け取ったポイントの雑所得にかかる税額は?

さて受け取ったポイントが雑所得とみなされる場合、税額はどれくらいかかるのでしょうか。

そもそも雑所得に当てはまる収入には

⑴国民年金や厚生年金などの公的年金、民間保険の個人年金

⑵外貨預金などの為替差益

⑶作家以外の人が受け取る原稿料・講演料

などが該当します。

身近な例を挙げるとネットオークションで得た利益やライターとして執筆した記事の原稿料など、副業収入の多くは雑所得です。

事業所得との線引きが難しいところですが、事業的な規模というほどでなく、お小遣い稼ぎという感覚なら雑所得と考えて差し支えないはずです。

そんな雑所得の計算式ですが、

雑所得の金額=総収入金額-必要経費(※公的年金がある場合は別)

で求めることができます。

アンケートやアフィリエイトでポイントを受け取った場合、必要経費(実費)が0円で獲得したポイントがそのまま課税金額になるパターンが多いのではないでしょうか。

費用はかかっていなくても、せっかく時間や労力を払って得たものに課税されるのは受け入れ難いですよね。

ですがご安心ください。

不幸にも雑所得に該当した場合でも、次のいずれかの条件に該当する人なら確定申告する必要はありません。

・1ヵ所から給与を受け、給与や退職金以外の所得が年20万円未満の人

・そもそも他の収入がない人…基礎控除で38万円までは無税

つまりサラリーマンや専業主婦で他に特別な副業収入がなければ、雑所得で受け取った楽天スーパーポイントに関しては税金の心配はありません。

一方、本気で楽天のアフィリエイトに取り組んでいる人などは年間20万円くらい超えてしまうでしょうから所得に応じて確定申告の義務があります。

 

3.買い物で得たポイントでも事業所得になるケース

通常、買い物で得たポイントは一時所得に当てはまると解説しましたが、何らかの事業を営んでいる場合、事業所得とみなされるケースもあります。

事業所得に該当するケースについて、国税庁のウェブサイトには次のように記されています。

事業所得、不動産所得、業務による雑所得等の業務に関して資産等を購入した際に獲得したポイントについては、その業務の付随収入に該当し、事業所得等となる。

企業が提供するポイントプログラムの加入者(個人)に係る所得税の課税関係について

ポイント獲得の際に購入した資産が業務用であれば事業所得になるとのことです。

例を挙げると、次のようなケースは事業所得になります。

・事業用に購入したPCに付与されるポイント

・不動産経営者がリフォームや家電の買い替えに際して獲得したポイント

・会社資産として購入した株式・債権などで付与されるポイント

どの名義で・何のために購入したのかによって所得区分の取り扱いが異なるため、自身が事業者に当てはまる場合、きっちりとした線引きが必要です。

 

ポイント付与の事業所得にかかる税額は?

受け取ったポイントが事業所得に当てはまる場合、所得税額は次のように算出します。

事業所得の金額=総収入金額-必要経費

一時所得のように50万円までの特別控除はありませんが、必要経費を差し引ける点では節税しやすいのが特徴です。

また確定申告で青色申告制度を利用すれば最高65万円までの所得が控除されるなど、税制面で有利な点もたくさんあります。

 

所得税が課税されるタイミングはポイント利用時

最後に忘れてはならないのが課税処理が行われるタイミングです。

「いつ課税されるのか」は税務処理上とても重要ですよね。

結論からいえば答えはポイントの使用時です。

ポイントプログラムは、受贈者たるポイント保有者の特典の請求等の意思表示を停止条件とする贈与契約と考えられるので、ポイントによる経済的利益は、停止条件が成就した時、即ち、ポイント保有者がポイントを使用して特典の請求等をした時に得られることから、課税されるべき所得としての認識時期はポイントの使用時であると考えられる。

企業が提供するポイントプログラムの加入者(個人)に係る所得税の課税関係について

国税庁によるとポイントプログラムは停止条件付き贈与契約と解釈されています。

つまり停止条件=ポイント利用の請求があって初めて贈与が発生する契約であるとする見方です。

なぜなら楽天スーパーポイントをはじめ世の中の多くのポイントには利用期限・利用用途に制限があり、使われないまま失効を迎えるケースがよくあるからです。

ここが現金とポイントとの大きな違いですね。

ポイント付与はあくまで権利を獲得しただけであって、この時点では所得があったとはみなされず、ポイント付与した企業側も実際に使用されるまでは支出として計上しません。

したがって、節税対策として注意すべきは1年間のポイント獲得額ではなく、利用額を意識することが大切です。

 

最後に:現段階ではまだポイント利用に際して課税を気にする必要はなさそう

ここまでポイントと課税の関係を解説してきましたが、現時点ではあまり税金の心配をする必要はなさそうです。

というのもポイントを課税所得とするにもまだ法律が整備されておらず、課題が多いのが現状です。

例えば課税のタイミングはポイント使用時だとお伝えしましたが、実際に使用したポイントの所得区分が一時所得なのか雑所得に該当するものなのか、また2つが合算されるケースも珍しくありません。

納税者がどのポイントを使ったのか申告時に明記することは現実的に困難です。

また、そもそもポイントの利用実態を国が正確に把握することは膨大な労力や経費がかかる作業です。

今後マイナンバーの普及や消費税増税に伴うキャッシュレス決済時のポイント還元など、国の施策が進めばポイント課税も現実味を帯びてくるかもしれませんが、実現するのはまだ先の話になりそうです。

 

楽天スーパーポイントにかかる所得税まとめ

最後にもう一度要点を整理すると次のようになります。

要点まとめ

・楽天のサービスで付与されたポイントは課税対象

・通常の買い物で得たポイントは一時所得

・アフィリエイトやアンケートで得たポイントは雑所得

・事業用資産などの購入で得たポイントは事業所得

・ポイントが課税されるタイミングは「使用時」

・現時点ではポイントが課税される可能性は低い

確定申告でお困りの方や税金が心配な方は参考にしていただけると幸いです。